2020/07/31 21:38

++ライフスタイルにアートを!


アーティストと職人の魂が込められた、《まいにち使えるアート》をお届けします。


今回は、彫刻家・瀬戸優と茶箱工房・前田工房によるレーザー加工を施した素茶箱。





気鋭の彫刻家としてアートシーンはもちろん、メディアからも熱い注目を集める瀬戸優。


自然科学への造詣が深く、具象彫刻にこだわった作品はその多くが野生動物をモチーフとしており、

命を吹き込んだような躍動感とリアリティが高く評価されています。



そんな瀬戸優のデッザンの緻密な線を可能な限り、レーザーで再現し、日本工芸のひとつである茶箱とコラボレーションしました。





++高機能な日本工芸・茶箱


「前田工房」は日本に残るたった5つの茶箱工房の一つで、すべて職人たちによる手仕事で丁寧に作られています。


お茶所静岡の川根から切り出された杉の木を、3カ月間寝かせるところから茶箱づくりは始まります。




茶箱になじみのない人も多いかもしれません。

静岡や京都、福岡といったお茶どころでは、

「おばあちゃんの家にあった」という人もいるかもしれません。


でもこの茶箱の最大の特徴は


・防湿性

・防虫性

・防酸化



香りと鮮度が命のお茶を保管する容器だけあり、防湿性は必須。




++最もサステイナブルな保存容器


茶箱の独特な形状と内側のすべてに張り巡らされたトタン素材と、湿度によって微妙に伸縮する杉素材、隙間をふせぐ和紙という天然素材の力によって、湿気だけでなく、酸化を防ぎ、虫も寄せ付けません。

さらに軽くて、耐久性もあり、とてもサステイナブルな保存容器といえます。





さて、この茶箱は江戸時代から日本では使われてきましたが、

その保管能力の高さから、海外でもずいぶんと人気を博したと言われています。


用途はお茶にとどまらず、米や乾物などの食品や衣類や人形などの保管に使われてきました。

最近ではコーヒー豆を保管しているコーヒーショップもあります。

さらには湿気を嫌うカメラなどの精密機器の保管にもおすすめです。




++実用アートの美しさ


インテリアとしてもシンプルでナチュラル。

使い捨て容器は便利ですが、大事なものを収納する箱は、とっておきの想いとプロセスを経たこだわりのアイテムを選んでみてもいいと思います。



アーティスト瀬戸優の躍動感あふれるデッザンとも調和し、手軽にアートを取り入れるきっかけとなればルうれしいです。



◆素材:杉

    トタン

    和紙

    糊





《瀬戸優-せとゆう》



彫刻家。

1994年神奈川県小田原市生まれ。

東京藝術大学大学院卒。

自然科学を考察し、主に野生動物をモチーフとした彫刻作品を制作する。

彫刻の資材であるテラコッタ(土器)は作家の触

覚や軌跡がダイレクトに現れ、躍動感のある作品となっている。

画廊での展示販売を中心に国内外へ幅広く作品を提供。

その他ペン画やイラストレーションなども幅広く手がける。


◆経歴

1994 神奈川県小田原市生まれ

2014 東京藝術大学美術学部彫刻科 入学

2018 東京藝術大学美術学部彫刻学科 卒業

四季彩舎にて初個展「瀬戸優展 月を知る」

東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 入学

2020 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 終了



◆メディア・受賞

2015 ふくろう喫茶「ふうろうのおうち」に作品提供。店内装飾とオリジナルグッズを手がける

2017 「ブレイク前夜~次世代の芸術家たち」(BSフジ)出演

2018 ファッションブランド「FRAPBOIS」とコラボレーション。

2019 クラウドファンディングを開始

2020 『美術の窓』(2020年5月号)で<シロサイ>が表紙を飾る